「アイデアの作り方」

ジェームス・W・ヤング著

阪急コミュニケーションズ発行

 

アイデアを生み出すためにはどんなことをすれば良いかと思いアメリカの広告代理業で数多くの業績を残したヤング氏の著作を参考にしてみた。

 

アイデアの作られる全過程(p54より抜粋)”5STEP”

①資料集め : 課題のための資料(特殊資料)と一般知識の貯蔵を絶えず豊富にすることから生まれる資料(一般資料)を集める

 

②資料の咀嚼 : 心の中でこれらの資料に手を加える

 

③孵化段階 : 自分の意識の外で何かが自分で組み合わせの仕事をやるのに任せる。想像力・感情を刺激することに意識を持っていく。音楽、映画、詩、探偵小説

 

④アイデアの誕生: 「わかった!」の段階

        ①②③をよくやることで、心の中で生まれる

 

⑤具体化 : 現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階

 

以上はヤングの著作より抜粋した。

自分のアイデア作りの参考にする。

 

以下の文は余談である。

 

著作を読んでアイデアについて思索していた時に、

ふと患者様たちとの会話から最近よく耳にする問題と関連しているのではと思えたので、

少しまとめてみた。

 

広告の巨人である著者は

その実績を上げることにおいて

いきなりアイデアが閃いたというわけではないことを強調する。

①②③の修練の成果によって、生まれたアイデアを具体化して、実績を生まれただけだという。

 

①②③の修練によって、豊かに貯蔵された資料同士の関連性を発見し、非常に早くアイデアを作り出しうる心を生み出していったのである。

著者は、アイデアとは既存の知識の組み合わせである。新しいアイデアといわれるものも、美しい万華鏡と同じで、様々なパーツを入れて、組み合わせを試した結果生まれたものなのだ。

 

著者はこうも述べる(p61)

 

「言葉」についての説明が必要である。

「言葉」はそれ自身アイデアであるということを人は忘れがちである。

言葉は人事不省に陥っているアイデアだといってもいいと思う。(言葉の記号化)

言葉をマスター(①②③のような修練を経て)するとアイデアはよく息を吹き返してくるものである。

 

最近、人を管理したり教えたりする立場のクライアントが発する悩みの原因の一端がここに見えてくる。(ほんとに多数の方が共通で仰る)

 

知識レベルの高い若者(あえて若者と言おう)は多い。

 

しかしそれは記号という意味での言葉を知っているだけで、アイデアとして理解している言葉ではない。

 

しっかり咀嚼し、消化しきれていないから、

彼らから出される言葉はただの記号と化してしまっている。発している言葉に責任を持てない。

まさに言葉の早食い・消化不良。

 

だから、言葉をアイデアとしてちゃんと理解してる患者さんと若者(部下)との間に隔たりが生じてしまうのだ。

 

これはまさに検索社会の弊害だ

わからない言葉があったら検索し、表面上の意味だけを知る。(理解ではない)

ただ記号を認知しているだけ、

 

自動車の運転でいうなら

一時停止の標識は認知できる

停止線の前でただ止まれば良いという認知度で。

一時停止し、左右の安全を確認することで危険を回避したり、自分が他者を傷つける可能性を回避している意味があり、

また他者との譲り合いの心を醸成するという意味もある(まあそこまで考える人は稀だろうが)ところまでは考えない。

 

アイデアを理解して言葉を使える患者さん達からは到底考えられないミスや、事象が起こっていないだろうか、記号としてしか認知していないのでそんなある意味コメディのようなことが生じてしまう。

 

ブラック企業問題もこう考えると、納得できる。

管理者と部下達との隔たりが、問題を常在化してしまう。

残業が多い仕事は「ブラック」

残業という言葉をただの検索キーワード(=記号)

で捉えれば、その仕事の質や、本人の経験のため、また社会貢献のためになっているであろう貴重な時間を「ブラック」という記号で認知しただけで終わらせ、前に進むことをやめてしまっている問題とも言える。

 

人間は言葉を交わし、コミュニケーションを図っている。

その言葉に今「記号化」の危機が訪れているといっても過言ではない。

現に、コミュニケーションが図れず、お互いが不幸な形を取らざるを得ない事象が多々起き続け、世間の話題をさらっている。

 

私の所に来る若者にも悩みがある。

 

言葉は知っている。

だがそれをわかりやすく解釈を教えてくれる人が、または導いてくれる人が周りにいないようなのだ。

 

そんな子たちに、ヒントになるようなアイデアを与え、時に解釈をアドバイスし、

自分で「ピン!!」と来た時の彼らの顔は、血色の良くなった、綺麗でスッキリした顔になる。

 

そんなことも検索社会の現代にとても重要なことではないかと。

 

悩み多き時代のように思えるが

逆に考えれば 

言葉のアイデアを理解している人間の腕の見せ所が多い時代とも考えられる。

 

どうすれば良いか、

修練を進める(実際、一般知識の増やし方すら知らない子も多い)

言葉の意味を伝える。
言葉の中にあるアイデアを気付かせる。

 

だらだらと書いてしまいました。

 

自分のアイデア作りのためにおこなったワークでしたが、

 

ちょっと別のアイデアも思いついたので

 

そこはかとなくつれずれなるままに

 

書き記してみました。

 

 

中村幸広